温泉水には様々な効果効能がある。
温泉水を飲むことは飲泉と言われており、ヨーロッパでは治療として認められている行為でもある。実際に症状によっては保険が適用されるほどだ。日本ではヨーロッパほど盛んではないが、全国に3000以上の温泉があり、数多くの温泉水が市販されているの。さっそく温泉水の効果効能を見ていこう。
目次
温泉水の効果と効能
温泉水の効果効能を知って貰う前に、温泉水は大きくワケて2種類有ることを説明したい。「硬水」と「軟水」の2種類だ。同じ温泉水でも硬度の違いで、効果効能にも大きく差が出る。紹介している内容は、主に硬水に含まれる成分によるものが多い。
【注意】種類によって成分は多岐に渡るため、全ての温泉水に当てはまるものでは無いので注意。
ミネラル補給
硬水の温泉水はカルシウムと、マグネシウムが豊富に含まれているので、ミネラルの補給を手軽にすることができる。温泉水に含まれるミネラルはイオン化されているので、食事で摂取するより吸収されやすいのが特徴だ。
カルシウムの吸収率は、胃でのイオン化率と、腸での腸管吸収率できまる。胃に入る前にイオン化されている温泉水は、吸収率を左右する第一関門はすでに突破していることになる。
参考:カルシウム家族
便秘改善
多くの温泉水に含まれている「マグネシウム」には、腸の中の水分を保持し便を柔らかくする作用があるので、マグネシウムを含有量が多い温泉水であれば便秘の改善に役立つとされている。実際に下剤の成分にもマグネシウムが使われている。
イライラ緩和
イライラするのは「カルシウムが足りていないから」と聞いたことがあるはずだ。
だがカルシウム不足がすぐにイライライを引き起こすわけではく、血液中のカルシウム濃度が薄くなると、神経が興奮しやすい状態になることが原因の一つと考えられている。
実際には、血中のカルシウムが不足すると、骨や歯から血中にカルシウムが溶け出す作用があるため、濃度が極端に薄くなることは少ない。カルシウムが原因になりうるイライライには、単にカルシウムが不足している以上に、様々な要因があることを忘れないで頂きたい。
「カルシウム不足=イライラ」とは言えないが、過度なカルシウム不足を防ぐために、日頃から温泉水でカルシウム補給をするのは有効な手段だ。
免疫機能の活性化
東京医科歯科大学名誉教授の藤田紘一郎氏によると、カルシウムには腸の働きを活発化させる作用があり、腸が活発化する事で、免疫機能の活性化が促進されるようだ。
また東京大学名誉教授上野川 修一 氏の「腸管免疫と腸内細菌」によると、腸管免疫系を構成している免疫細胞や抗体の数は全免疫系の50% を超えると記載されており、腸内に免疫細胞が集中している事がわかる。
カルシウムを含む温泉水を適切に飲むことは、腸の働きを活発化し、免疫細胞の活性化につながるといえるだろう。
水分補給
温泉水も「水」なので、水分補給に利用することが可能。
水分補給目的であるならば、オススメしたいのが「軟水」の温泉水。軟水は飲みやすくクセがないのが特徴で、普段から軟水を飲みなれている日本人には取り入れやすいからだ。あなたがいつも水を飲んでいるタイミングで温泉水を飲んでほしい。
高血圧や動脈硬化
カルシウムが不足が骨粗鬆症の原因になるのはよく知られているが、「高血圧」や「動脈硬化」の原因になるのは余り知られていないのではないだろうか?
高血圧
高血圧の要因の一つに、血中のカルシウム濃度が下がると、骨などから溶け出したカルシウムで濃度が上がってしまう「カルシウム・パラドックス」が挙げられる。血中のカルシウム濃度が過度に増えると、カルシウムが血管壁に取り込まれ血管が収縮する。その結果、心臓がより強い力で血液を送り出そうとするので、血圧が上昇し、高血圧の要因になるというわけだ。
動脈硬化
血管壁にカルシウムが取り込まれすぎると、血管壁が固くなると同時に、血管の内側に傷がつきやすくなる。それが動脈硬化につながるとされている。
高血圧や動脈硬化の予防にオススメな理由
温泉水を飲めば症状の改善に役立つというわけではい。カルシウムを含む温泉水を飲む事で、過度なカルシウム不足を予防し、「カルシウム・パラドックス」を避ける手助になると考えてほしい。
忘れてはいけないデメリット
温泉水にも体質によって全ての人にオススメできるわけではない。
温泉水にもミネラルウォーター同様「硬水」と「軟水」が存在する。特に硬水に含まれている豊富な成分がデメリットを引き起こすことがある。もしあなたが、以下のタイプなら注意をしていただきたい。
- 腎臓が悪い
- 赤ちゃんのミルクに使う
- お腹がゆるくなりやすい/現在お腹がゆるい
- 医師に特定の成分の摂取を禁止されている
硬水だけでなく、温泉水全般には様々な成分が含まれていることが多い。飲用の可否が気になる場合は、医師に相談をしてから始めるのがオススメだ。硬水と軟水の違いなどを詳しく知りたい場合は「硬水と軟水の違い【選び方アドバイス付き】」を参考に。
温泉水の効果的な飲み方
温泉を使った治療は日本にも古くから伝わっており、飲泉療法として今でも残っている。飲泉療法で推奨されている温泉水の飲み方を紹介する。
オススメの量 | 1回に100ml〜200ml |
摂取時間帯 | 毎日同じ時間 |
タイミング | 食前30分〜60分、 |
飲み方 | ちびちびと飲む |
温泉水が直接湧き出ている飲泉場ではこのような飲み方が推奨されてるが、市販されている温泉水に関しては、通常のミネラルウォーターを飲むのと同じ感覚で飲んでもいいだろう。
温泉水を購入する
効果効能を知ると、温泉水を試したいと思う人もいるのではないだろうか?結論から言うと温泉水は「通販」で購入できる場合が多い。
購入場所
日本全国の温泉水を集めた「温泉水とは?温泉水25選」を参考にしてほしい。ほぼ全ての会社の温泉水が、サイトや電話を使った通販で購入可能だ。通販がメインとはなるが、日帰り温泉や店舗を運営している場合は、直接購入できることもある。近場の方は確認の上、現地で購入するのもいいだろう。
コスト
市販されている温泉水(2L)の相場は200円〜650円程度だ。ばらつきは有るが、300円程度が人気の有る価格帯で有ることは間違いない。コストが気になる場合は、20Lなどの箱で販売されている、バックインボックスを選んで欲しい。1L当たりの金額が大幅に安くなる。お試しで、2Lや500mlのペットボトルを購入して、慣れてきたらBIBに以降するのが、オススメの温泉水の買い方だ。
まとめ
温泉水には以下のような効果効能が期待できる。
- ミネラル補給
- 便秘改善
- イライラの緩和
- 免疫機能の活性化
- 水分補給
- 高血圧や動脈硬化
効果効能の他に忘れないで頂きたいのが、、、
- デメリットもあり、体質によっては合わない
- 温泉水にも「軟水」「硬水」があり効果効能を期待するなら成分の濃い「硬水」がオススメ
- 相場は200円~300円、人気の価格帯は300円台
- 全国の温泉水のほとんどは通販で購入可能
最後に伝えたいのが、温泉水は商品によって成分が異なるということだ。必ずしも全ての温泉水で今回紹介したような効果効能を得られるわけではない。成分をよく確認し、自分の体質や、期待したい効果を考慮した上で「あなたに合った」温泉水を選んで頂きたい。
ps
温泉水を飲んで効果を感じた事があれば是非コメントを!もちろん効果なかったなどの意見でもOKです。