体臭は自分では気づきにくく、無意識のうちに周囲の人に臭いで迷惑をかけてしまう恐れがあります。
体臭は汗に含まれる老廃物が皮膚の菌と混ざることで発生しますが、それ以外にも便秘が原因で体臭がきつくなることもあります。そのようなときに役立つのが水分の摂取です。
この記事では体臭と水の関係について解説しています。また、水の中でも硬水が体臭の改善に役立つとされている理由についても取り上げているためぜひ参考にしてください。
体臭と水の関係
体臭が発生する理由は、老廃物が皮膚の菌と混ざるためです。この老廃物とは汗に含まれているアンモニアやタンパク質などのことです。
日本人は欧米人よりも汗を排出するアポクリン腺と呼ばれる機関が少ないとされているため、体臭も発生しにくいと考えられます。
しかし、近年では食事が欧米化したことで、アポクリン腺や皮脂腺が活発になっており、日本人でも体臭が発生しやすくなったと言われています。
臭いの原因の1つが汗に含まれる老廃物であることから、汗を減らすために水分摂取を少なくしようとする人もいるかもしれません。
しかし、水分摂取量が少なくなるとさらに体臭がきつくなる可能性があります。これは、水分不足が原因で便秘を引き起こし、便秘によって便の腐敗が進むにつれてアンモニアや毒素が増え、それらが血中に混ざって全身をめぐるためです。
アンモニアや毒素が含まれた血液は汗に混ざって体外に排出されるため、臭いがきつくなってしまいます。このような事態を回避するためには、便秘を起こさないように腸内環境を整えることが大切です。
硬水が体臭改善に役立つ?
先ほども触れているように、水分摂取を控えてしまうと便秘になり、体臭がきつくなる恐れがあります。そのため、普段からこまめに水分摂取をすることは便秘を回避するためにも、体臭を抑えるためにも非常に重要です。
中でも硬水はミネラルを豊富に含んでおり、ミネラルは腸内を刺激し、便を柔らかくする作用があるため、便秘改善の効果が期待できます。
もちろん硬水を飲むだけで便秘が改善され、体臭を抑えられるというわけではありませんが、対策の1つとして硬水を飲むことはおすすめです。
硬水とは
硬水とは、簡単に言うと水の中の硬度が高い水のことです。硬度とは水の中のカルシウムイオンとマグネシウムイオンの合計量を炭酸カルシウムに換算したうえで表示したものです。硬度が高い水のことを硬水と呼ぶのに対して、硬度が低い水のことを軟水と呼びます。
WHO(世界保健機関)のガイドラインでは、硬度が60mg/L未満の水を軟水、60~120mg/L未満の水を中程度の軟水、120~180mg/L未満の水を硬水、180mg/L以上の水を非常な硬水と分類しています。
日本の水は一般的に軟水です。一方でヨーロッパなどは硬水が主流となっています。
硬水のメリット
硬水のメリットとしては、カルシウムやマグネシウムといったミネラルが豊富に含まれていることが挙げられます。食事だけだと不足してしまいがちなミネラルを摂取できる点は大きなメリットだといえるでしょう。
また、硬水に含まれるマグネシウムは体内で吸収されにくいという特徴があります。マグネシウムが腸内で水分を集めることで便を柔らかくする効果が期待できるため、便秘改善にも役立つでしょう。
二千万年水は1リットルあたり、牛乳瓶約「1.5本分(カルシウム320mg/L)」のカルシウムが含まれており、カルシウム補給に最適です。
硬水のデメリット
硬水のデメリットとしては、摂取しすぎると腸への刺激が強くなる点が挙げられます。硬水に含まれるマグネシウムは先述の通り便を柔らかくする役割がありますが、摂取しすぎるとかえってお腹を下してしまう恐れがあります。
普段使いなら軟水もおすすめ
先述の通り、硬水はミネラルを豊富に含んでいることから便秘改善の効果が期待できますが、だからといって全ての場面で硬水の使用が適しているわけではありません。
例えば、硬水を飲みすぎると胃腸への負担が大きくなり、お腹を下してしまう恐れがあります。また、硬水は軟水と比べると口当たりが良くないと言われているため、ゴクゴクとたくさん飲むのにはあまり向いていないでしょう。
さらに、和食を作る場合、軟水の方が相性がいいとされています。野菜を煮込んだり煮物を作ったり、軟水を使えば素材そのものの美味しさを活かすことができるでしょう。
また、お茶に関しても軟水の方がおいしく淹れられると言われています。一方で、西洋の料理には硬水が適しているとされています。
このような点から和食を作るときは軟水を、洋食をつくる際は硬水を使用する、便秘対策として水を飲む際は硬水を選ぶなど、場面や目的に応じて硬水と軟水を使い分けることが大切です。
まとめ
今回は、水と体臭の関係について解説しました。体臭は、汗に含まれる老廃物が皮膚の菌と混ざることで発生します。
汗が体臭につながっていることは確かですが、だからと言って汗をかかないように水分摂取を控えると便秘を引き起こし、さらに体臭が臭くなる恐れがあります。
便秘による体臭の悪化には、便秘改善の効果が期待できる硬水がおすすめです。ただし、全ての場面で硬水が適しているわけではないため、目的に応じて硬水と軟水を使い分けるようにしましょう。
参考文献
神奈川県:軟水・硬水ってなあに?