硬水はむくみ解消に役立つ?むくみ発生の原因と解決策を解説

むくんだ足

硬水とは硬度に基づいて水を分類したものです。この硬水はむくみ解消に役立つとされていますが、なぜなのでしょうか。

この記事では硬水の概要や特徴、むくみが発生する理由、むくみ解消と硬水の関係などについて解説しています。いつも足や顔がむくんでしまい困っている、対策を知りたいといった人はぜひ参考にしてください。

硬水とは

硬水とは、硬度に基づいて水を分類したものです。硬度は、カルシウムとマグネシウムの量から産出される炭酸カルシウムの量で水を分類しています。

そして、高度に基づいた分類は硬水だけでなくいくつかの種類があります。以下はWHO(世界保健機構)の基準に基づいた分類です。

  • 軟水:60mg未満/1リットル
  • 中程度の硬水:60mg~120mg/1リットル
  • 硬水:120mg~180mg/1リットル
  • 非常な硬水:180mg以上/1リットル

つまり、硬水は炭酸カルシウムの量が多い水ということになります。
参考:硬水とは

硬水の特徴

先ほども触れているように、硬水にはカルシウムやマグネシウムが含まれています。これは人間の体内に取り入れても問題ないものです。日本では一般的に軟水が飲まれていますが、地域によっては硬水が取水できることもあります。

そして、この硬水には以下のようなメリットがあります。

  • ミネラルを摂取できる
  • 便秘解消に役立つ

食生活の変化や土壌の地質変化などの影響もあって、日本人はミネラルの摂取量が減少していると言われています。硬水はミネラルを豊富に含んでいるため不足分をカバーすることができるでしょう。

また、硬水に含まれているマグネシウムは体内に吸収されにくいという特徴を持っています。吸収されないまま腸に到達すると、水分が吸着し便が柔らかくなります。便が柔らかくなると排便促進につながるため、結果的に便秘解消が期待できるでしょう。

このようなメリットの一方で、硬水には以下のようなデメリットもあります。

  • 味が合わない
  • お茶には適していない
  • 下痢につながる恐れ

日本人は一般的に軟水を飲んできたこともあり、硬度の高い硬水は口に合わない可能性があります。また、お茶を入れる際に硬水を利用するのもお勧めできません。

お茶の場合、軟水を利用することで渋みや苦みといった独特の味わいを出しているため、硬水だと合わない恐れがあるでしょう。

そのほかにも、硬水は便秘の解消に役立つものですが、お腹が弱い人が過剰に摂取するとミネラルが腸を刺激しすぎてしまい、下痢を引き起こすケースがあります。

むくみの原因

むくみとは、血液や細胞組織の液体が細胞の外に漏れ出すことで、細胞街浮腫という状態になってしまうことです。人の体の水分は細胞内と細胞外を行き来しているのですが、その往来をコントロールしているのがナトリウムとカリウムイオンです。

両者はそれぞれ細胞外だとナトリウムイオンの濃度が高く、細胞内だとカリウムイオンの濃度が高いという状態が基本となっています。しかし、この2つのイオンの濃度のバランスが何かしらの理由で崩れてしまうとむくみが発生します。

ちなみに、ナトリウムイオンは主に塩分から摂取されるものです。塩分の多い料理を食べた次の日などにむくんでしまうのは、塩分を摂取したことで細胞外のナトリウムイオンの濃度が高くなってしまったからなのです。

むくみの解消方法

むくみを解消するには、ナトリウムイオンとカリウムイオンのバランスを元に戻す必要があります。具体的にはナトリウムイオンを尿として排出し、量を減らして組織外のナトリウムイオン濃度を低下させます。

では、どうやってナトリウムイオンの量を減らすのでしょうか。その方法はカリウムイオンの濃度を上昇させるというものです。

人間の体ではナトリウムイオンとカリウムイオンの割合は2:1の割合で必要になるとされています。ナトリウムイオンを尿として排出する際はカリウムイオンも一緒に排出されるため、ナトリウムイオンが過剰な状態だと、カリウムイオンも必要以上に排出されてしまい、不足状態になる恐れがあります。

そうなると体内のカリウムイオンが不足し、結果的に両者のバランスを調節することが難しくなりなかなかむくみが改善されません。

つまり、過剰なナトリウムイオンを排出する場合、それと同じくらい十分な量のカリウムイオンが必要となるのです。カリウムイオンを十分に摂取できれば再び両者のバランスが保たれるため、むくみ解消に繋がります。

むくみ解消に活用できる水

むくみ解消のためにはカリウムイオンを摂取する必要があると説明しました。このカリウムイオンは硬水にも含まれているため、硬水の摂取はむくみ解消に役立つと考えられます。

また、硬水には血管を柔らかくし、血流を改善するカルシウムや老廃物の排出をサポートするサルフェートなども含まれており、これらの物質もむくみ解消を促進してくれます。

ただし、硬度の高い硬水だと利用作用が促進されすぎてしまい、体外へカリウムイオン、ナトリウムイオンの排出量が多くなってしまうため、中程度の硬水の摂取がオススメです。

硬水を飲む際の注意点

腎臓の弱い人はミネラルが豊富に含まれている硬水の摂取は避けてください。これは腎臓のカルシウムのろ過機能が追いつかずに過剰な状態になってしまう恐れがあるためです。カルシウムが過剰な状態は尿路結石などを引き起こすこともあるため注意してください。

また、むくみ解消に水分摂取は効果的ですが、だからといってどんな水でもいいというわけではありません。軟水のようにミネラルが少ないと十分な効果が得られないため、硬水を摂取するようにしましょう。

まとめ

今回は硬水の概要や特徴、むくみの原因などについて解説しました。硬水は硬度に基づいて水を分類したものです。ミネラルを豊富に含んでおり、むくみ解消をサポートしてくれます。

むくみを解消したい場合、水分の摂取が効果的とされていますが、これはミネラルを豊富に含んでいることが条件となります。軟水のようにミネラルの少ない水だと不十分であるため、むくみ解消を目的に水を飲む場合は硬水を選ぶことをおすすめします。