硬水は身体に良い?2つのメリットを紹介

硬水は体にいいのか?

「硬水は体にいい!」あなたも、なんとなくそんなイメージをもっていないだろうか?

もしかすると、雑誌やテレビで、モデルやスポーツ選手が積極的に硬水を飲んでいるのを見てそう思っているのかも知れない。だが、実際にどんな理由が有って「硬水が体にいい」と言われているかを知っているだろうか?

今硬水を飲んでいる人も、これから硬水を飲もうと思っている人も、理由を知ってから飲めば、なおさら満足できるのではないだろうか。あなたがこれから付き合っていく水を、納得して選んで欲しいと思っている。硬水が体にいいと言われる本当の理由を知りたい人は是非読んで欲しい!

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硬水が体にいいと言われる理由

結論から言えば硬水に含まれる「ミネラル」が要因だ。

水を「硬水」と「軟水」に分類する「硬度」は、マグネシウムとカルシウムの含有量で計算され、120mg/L以上なら硬水、120mg/L未満なら軟水だ。

体にいいと言われる理由は硬度の計算でも使われるマグネシウム、カルシウムの作用によるものが主で、この2つは必須ミネラルの16種類の中でも重要な、主要ミネラルでもある。

ミネラルは体内で生成される事が無い成分のため、食事で摂取する必要がある。

不足した場合は欠乏症や、様々な不調の原因になるともされている。マグネシウムとカルシウムが豊富に含まれた硬水はミネラル補給に適しているのだ。

マグネシウムから得られるメリット

国内外の研究によりマグネシウムは様々な病気の予防になる事が分かっている。

便秘解消

マグネシウムは腸内に水分を保ち、便を柔らかくする作用があり、便秘にはマグネシウムの摂取が効果的とされている。特に便秘改善に人気の超硬水には大量のマグネシウムが含まれているのが特徴だ。実際に多くの下剤の成分にもマグネシウムが使われている。

高血圧や心血管疾患

アメリカのNIH(National Institute of Health)によると、マグネシウムの摂取量が多いと脳卒中のリスクが低下すると言われている。

総計241,378人を対象として研究では、食事に1日当たりマグネシウムを100mg追加すると脳卒中全般のリスクが8%低下したとの結果が出ている。

2型糖尿病

マグネシウムを適切に摂取することが、2型糖尿病に効果が有ることが様々な研究で明らかになってきている。

国内の糖尿病の無い40〜79歳を21年間追跡した研究では、マグネシウムの摂取量が増加すると2型糖尿病のリスクが優位的に約37%低下するという結果が出た。

国内外でマグネシウムが2型糖尿病に効果的という研究結果が出ているにもかかわらず、厚生労働省の調査によると、日本人はマグネシウムの推奨摂取量に届いていない。

MAG21研究会が集計した約12年間のデータでは、男性は推奨量の64%、女性は推奨量の72%しか摂取できていない事が分かっている。食事や水から積極的に摂取したいところだ。

骨粗鬆症

マグネシウムは骨の形成に関連しており、男女ともにマグネシウムの摂取量と骨密度との間に関連性が有ることが認められている。

カルシウム同様マグネシウムの約6割は骨や歯に存在しており、不足すると骨から溶け出し骨密度の低下につながる。積極的に摂取して、骨の健康維持に役立てたい。

偏頭痛

マグネシウム欠乏症は、頭痛を助長する原因の1つとしても考えられている。偏頭痛を有する人は、血中のマグネシウムや組織マグネシウムの値が、通常の人より低いとされている。

カルシウムから得られるメリット

身近なカルシウムも様々な健康効果が認められている。

腸の働きを活発にし、免疫機能を活性化

東京医科歯科大学名誉教授の藤田紘一郎氏によると、カルシウムには腸の働きを活発化させる作用があり、腸が活発化する事で、免疫機能の活性化が促進されるとされている。

その証拠に、京大学名誉教授上野川 修一 氏の「腸管免疫と腸内細菌」には、腸管免疫系を構成している免疫細胞の数は、全免疫系の50%以上と記載がある。腸内にはかなりの数の免疫細胞が集中しているこということだ。

骨粗鬆症

骨と言ったらカルシウムと言っていいほど、両者は密接な関係にある。

カルシウムの99%は骨の中にあり、血中のカルシウム濃度が低下すると、骨中からカルシウムが溶け補填する作用があり、この作用が骨密度を低下させる1つの要因だ。

つまり慢性的なかるカルシウム不足は骨密度の低下の大きな原因の1つになっているのだ。厚生労働省が定めるカルシウム推奨量までは、積極的に摂取したいところだ。

高血圧や動脈硬化

高血圧の要因の1つとして「カルシウム・パラドックス」が挙げられる。血中のカルシウム濃度が過度に増えると、カルシウムが血管壁に取り込まれ血管が収縮する。その結果、心臓がより強い力で血液を送り出そうとするので、血圧が上昇し、高血圧の要因になるというわけだ。適切なカルシウム摂取は、カルシウムパラドックス予防にもなる。

カルシウム結石の予防

最近の研究ではカルシウムが結石の原因になるどころか、予防に役立つとされている。結石の約70%のリスクファクターとされているシュウ酸は、腸の中でカルシウムと結合し、便と共に排出される。

このプロセスでカルシウムと共に排出されないシュウ酸が多いと、体の中に蓄積し結石のリスクが大幅に高まるとされている。

厚生労働省の調査によると、マグネシウム同様、日本人はカルシウムの推奨摂取量にすら届いて無いのが現状だ。つまり、多くの人にとって、カルシウムは意識して摂取すべきミネラルといえるだろう。

重要なこと

硬水に含まれるミネラルにはメリットが沢山あるが、摂取方法や体質によってはデメリットもあることを忘れてはいけない。

一番良く有るデメリットは、お腹が弱い人は下痢になりやすかったり、赤ちゃんには不向きだったりだする点だ。特に普段から軟水を飲みなれている人は、一度に全ての飲料水を硬水に変えないように注意していただきたい。痢にならずに硬水を飲む方法を知りたい方は「下痢にならずに硬水を飲む4つの方法」を参考に。

そして何より一番重要なのは適量を飲むということ。

前記したようにマグネシウムと、カルシウムの効能は多くの研究機関で実証されているが、過剰に取りすぎてしまうと逆効果になることもあるのだ。

過剰摂取にはもちろん注意が必要だが、平均的な日本人はマグネシウム、カルシウムの摂取量共に、厚生労働省が定める推奨量には達していない。意識して、積極的にミネラル分は摂取したい。

参考:厚生労働省「統合医療」情報発信サイト
参考:National Institutes Of Health
参考:厚生労働省 eヘルスネット
参考:MAG21研究会

まとめ

硬水が体にいいと言われる理由は必須ミネラルの、カルシウムとマグネシウムを豊富に含んでいるからだ。そして、2つの成分は様々な病気の予防に効果があることも研究が証明している。

人により差はあるが、日本人の多くはマグネシウムとカルシウムの推奨摂取量に届いていないことも忘れないで欲しい。過剰摂取は問題だが、多くの人にとって、硬水を利用してミネラル補給の習慣を生活に取り入れるのはメリットが有るはずだ!

ps
硬水を飲むことで実際に何かの効果を感じた人はいますか?